天皇賞・秋に向けて オウケンブルースリ好調維持
昨年のクラシックを制した4歳馬2頭が盾取りに挑む。08年菊花賞馬・オウケンブルースリと皐月賞馬・キャプテントゥーレが、ともに前哨戦を勝って万全の態勢で大一番へと駒を進める。
一方で、いまだG1の勲章に届かない8歳馬2頭も、ここ一本に照準を絞ってきた。
昨年5着のエアシェイディと毎日王冠でウオッカを倒したカンパニー。
戴冠にかける老雄たちの走りにも注目が集まる。
春に無理使いしなかったことが、今につながっている。
京都大賞典を制して勢いに乗るオウケンブルースリにとって、腰の不安がないことが、何よりの好材料だ。
春に阪神大賞典で敗れた後、歩様に乱れが出て天皇賞・春を回避した。
「普通に引いていた時には分からなかったけど、乗り運動をすると肩の出が悪かった。調べてみたら、腰が悪いのが影響して、前肢が出なくなっていた」
と担当の塩津助手。
すぐに放牧に出されて休養。
大一番はあきらめる形になったが、音無調教師は、
「スパッと休ませて、治療に専念したのが良かった」
と振り返った。
帰厩してからは順調に調教を消化し、前哨戦を快勝。
レース後も不安はないという。
その前走は、賞金を加算するために目いっぱいの仕上げ。
それだけに、今回は上積みがあるかどうかがカギとなるが、塩津助手は
「あると思います」
と即答した。
「確かに体つきとしては前走時で仕上がっていたけど、中身の点でまだだった。今回は、中身もできていますから」
京都大賞典の前に心音を聴いて「好調時の8割くらいだね」と話していた獣医師が、レース後には「良くなってきている」と太鼓判。
今回は、馬体の仕上がりに心肺機能が追いついた。
課題は、昨年6月に未勝利戦を勝って以来となる2000メートルの距離。
音無師は
「この距離が得意な馬がそろうから。毎日王冠みたいになるとつらい」
と弱気な様子を見せながらも、すぐに前を見据えた。
「でも、この馬は長く脚を使える。それが生きる流れになれば…」
"消耗戦"に持ち込み、2つ目のG1の勲章を手に入れるべく、思いを巡らせていた。
天皇賞・秋を制するのは、どの馬か!?
(2009年10月28日)
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