オリックス･西､小久保の引退試合でノーヒッター! ｢ガッツポーズできなかった｣

【ソフトバンク 0-3 オリックス福岡ヤフードーム】

オリックス･西勇輝投手が8日､今季最終戦となるソフトバンク戦に先発｡
打者28人を1四球だけの無安打に抑える快投を見せ､史上76人目､通算87度目のノーヒットノーランを達成した｡

この日はソフトバンク･小久保裕紀内野手の引退試合｡
しかし､超満員の福岡ヤフードームで主役となったのは､21歳の若き右腕だった｡

西は140キロ中盤の直球をコーナーに集め､スライダー､フォークのキレも抜群｡
5回に四球を出したものの､最後まで球威は衰えず､ゴロアウト12､フライアウト6､三振9という内容で､平成生まれとしては史上初となるノーヒッターとなった｡

現役最後の試合となる小久保に対しても真剣勝負｡
引退試合では直球が暗黙のルールだが､
｢ガチでやってきてほしい｣(ニッカンスポーツより)
という小久保の言葉に刺激を受け､キレのあるスライダー､フォークを多投｡
3打席対戦し､二飛､一飛､遊ゴロと完璧に抑え､メモリアル安打を許さなかった｡

西は試合後､
｢引退試合だったのでどう喜んでいいのか｡ガッツポーズができなかった｣(同)
と複雑な心境を吐露｡
それでも､小久保がこの日の3打席を､
｢今日の対戦は本当にうれしかった｣(同)
と振り返ったことを知ると､
｢引退試合だからノーヒットノーランできたんじゃないですか｡みんなが小久保さんの引退を意識して､僕のことは何も意識してなかったので｣(同)
とようやく白い歯を見せた｡

チームはクライマックスシリーズ進出を期待されながら､まさかの最下位｡
しかし､最終戦での西の投球は､来季へのわずかな希望となった｡

(2012年10月9日)

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