中日、「脱落合」キャンプは大失敗!? ファンサービス充実も練習での収穫は…
昨季まで8シーズン指揮をとった落合監督の後を継ぎ、17年ぶりに現場へ戻ってきた中日・高木守道新監督。
リーグ3連覇というプレッシャーがかかる中、新指揮官がキャンプで徹底したのが「脱落合」の姿勢だった。

最も重視したのは、練習方法や戦術ではなくファンサービス。
キャンプ中は連日のように監督自ら即席サイン会を開催し、球団関係者は、
「ほぼ毎日、1〜2時間はサインを書いていた。宿舎でもストックを用意していたから、1日平均300枚強は書いたんじゃないか。
キャンプ29日間で1万枚は書いたはず。高木監督も『北谷に来たファン全員にサインが行き渡っただろう』と笑顔だった」(日刊ゲンダイより)
と明かしている。

前監督の落合氏は「勝つことが最高のファンサービス」という考えを持っており、サイン会などのイベントを開催することはなかった。
しかしその結果、8年連続Aクラスという成績を残したにも関わらず、観客動員数は2008年をピークに減少。
現役時代、中日一筋で20年間プレーし、"ミスタードラゴンズ"と呼ばれた高木監督は、チームの人気低迷を黙って見ていられなかったのかもしれない。

前監督にはなかった交流にファンの反応は上々。
たが、肝心のチーム状況はどうもパッとしない。

キャンプ最終日の先月29日、高木監督はキャンプの総括を求められ、
「成果?成果はね。そんなに」(同)
と渋い表情。
さらに、
「目立った選手も特別には。(オーダーは)昨年とほとんど変わらないと思う。(森野、和田ら)レギュラーが本来の力を発揮してくれたら」(同)
と落合時代の"貯金"で戦っていくことを示唆した。

キャンプでは若手を試すため9試合もの実戦を行ったが、結果はいまひとつ。
それどころか、実戦を優先したスケジュールが組まれたため、頼みのレギュラー陣たちは屋外でのフリー打撃などが制限され、屋内練習場へ追いやられた。
チーム内からは、
「室内では打球の感覚がつかみづらい。ただでさえ雨が多かったから、ベテラン組も万全な調整ができたとはいえない」(同)
といった声も出ているとのことで、若手、ベテランとも収穫の少ないキャンプになってしまったようだ。

どれだけファンサービスに力を注いでも、シーズンで結果を残せなければファンは離れていく。
高木監督は「脱落合」に固執せず、前監督の見習うべき部分は取り入れていく必要がありそうだ。
(2012年3月11日)
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