連続200安打が途切れたイチローの脚力低下説に､世界の盗塁王が反論!

シーズン200本安打が10年連続で途切れた米大リーグ･マリナーズのイチロー外野手｡
｢ようやく続けるということに追われることがなくなったので､ちょっとホッとしてますね｣(スポーツ報知より)
と語ったが､内心悔しさはあるだろう｡

なぜ､イチローの偉大な記録は途切れてしまったのか｡
現役時代､巧打の中距離打者として活躍し､2度の首位打者に輝いた元中日の谷沢健一氏は､年齢からくる下半身の衰えを指摘している｡

｢今年のイチローを見る限り､特にレフト方向への打球が弱く､手打ちになっている｡
私にも経験があるが､年齢を重ねてくると下半身のキレがなくなることで､打球の強さがなくなり､フェンスを越えたと思った球も平凡な外野フライになる｣(週刊ポストより)

谷沢氏の指摘を裏付けるように､イチローの長打率は2009年が.465､2010年が.394､2011年が.335と年々低下｡
シーズン5本塁打もメジャー移籍後ワーストの数字だ｡

下半身の衰えは､当然､走塁にも大きな影響を及ぼす｡
今季のイチローは､これまでヒット数を稼いできた内野安打が減少｡
2009年の内野安打率は28%で2010年30%だったが､2011年はわずか23%｡
これは最近5シーズンで最も少ない割合だ｡

この数値を見ると､｢下半身の衰え=足が遅くなった｣とも考えられる｡
しかし､通算1065盗塁の日本記録保持者で､"世界の盗塁王"と呼ばれた元阪急の福本豊氏は､年齢と下半身の衰えは関係ないとしている｡

｢僕も晩年は盗塁数が減ったけど､それは出場機会が減っただけで脚力が衰えたということではない｡実際､盗塁成功率は引退直前までほとんど変わらんかった｡
イチローは相変わらず盗塁数が多いし､脚が遅くなったわけではないと思います｣(同)

今季､イチローの盗塁数は40個でリーグ3位｡
前年から2個減ったものの､成功率で言えば今季の方が優れた数字を残している｡
単純に｢下半身の衰え=足が遅くなった｣という考えは､当てはまらないのかもしれない｡

イチローの成績低迷については､様々な議論がなされている｡
しかしイチロー自身は多くを語っておらず､いまだ明確な理由は分かっていない｡

ただ､イチローはシーズン終了後､報道陣からの､
｢これからも200本にこだわるか｣(スポーツ報知より)
という問いに対し､
｢その可能性を生み出せる状態でありたい｣(同)
とコメント｡
世界中のファン､そして自分自身のために200本安打を再び目指すことを誓っている｡

(2011年10月9日)

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