ア･リーグMVPの過去は薬物常用者!? 地獄から這い上がった天才打者･ハミルトン!!

米大リーグ､ア･リーグの最優秀選手(MVP)が24日に発表され､レンジャーズのジョシュ･ハミルトン外野手が初受賞した｡
日本ではセ･リーグ史上最年長となる38歳でMVPを獲得した中日･和田一浩外野手が話題になったが､アメリカではある苦難を乗り越え再起したハミルトンの受賞が大きな話題になっている｡

1999年に全米ドラフト1位でデビルレイズに入団したハミルトン｡
打撃はアマチュア球界最高の実力､投手としても154キロを投げる彼は｢8つの能力を持つ選手｣と呼ばれ大きな期待を寄せられていた｡

しかし､その期待がハミルトンを変えてしまう｡
2001年に母親とともに交通事故に巻き込まれたハミルトンは､怪我の治療中にコカインなどのドラッグを使用｡
2002年7月に使用が発覚した際にはすでに中毒となっており､MLBコミッショナーから25日間の出場禁止処分と更生施設への入所が命じられた｡

結局､ハミルトンが薬物を断ち切ることが出来たのは2005年末｡
更生施設へ8度入所し､自殺を考えたこともあったという｡

2003年から3年間もの間､プレーから遠ざかっていたがその実力は健在｡
2006年1月からトレーニングを開始し､数ヶ月後には保有権を持つデビルレイズに復帰｡
そのときの復帰条件は週3回以上の尿検査だったという｡

復帰後の2シーズンこそ満足な結果を残すことはできなかったが､2008年にレンジャーズに移籍すると才能が開花｡
移籍1年目に打点王を獲得しチームの主砲に成長すると､今シーズンは9月下旬に脇腹を骨折しながらも打率.359､32本塁打､100打点で首位打者を獲得し､レンジャーズを11年ぶりの地区優勝に導いた｡
さらに､ヤンキースとの優勝決定シリーズでもMVPとなり､球団初のワールドシリーズ進出に大きく貢献した｡

受賞の喜びを､
｢最高の栄誉だ｡チームメートの支えなしに受賞はなかった｡MVPよりプレーオフで勝つことが大事だと言ってきたが､両方成し遂げることができた｡(薬に依存していた)当時(03年頃)はMVPは99％ありえなかった｣(スポーツ報知より)
と語ったハミルトン｡
地獄を味わった男は来季､球団史上初のワールドシリーズ制覇を目指す｡

(2010年11月27日)

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