横山友美佳､がんと闘い夢を叶えたバレー選手の21年間の全貌!!

29日に開幕する世界バレー女子大会を前に､同大会を放送するTBSではドラマ『明日もまた生きていこう』が放送される｡

同作は､いまや全日本のエースに成長した木村沙織とともに､下北沢成徳高校で将来を嘱望された横山友美佳の物語｡

木村の一年後輩にあたる横山は､高校1年時に春高バレー準優勝を経験｡
189センチの恵まれた体格と抜群のセンスで､高校2年時には全日本代表に初選出された｡

高校だけでなく､代表でもチームメートとして戦った木村とは大親友｡
日本女子バレーの将来を担う二人に､周囲の期待は大きかった｡

しかし､悲劇は突然訪れる｡
2005年3月､全日本合宿参加連絡の日､横山はガンを発症｡
治療の為､国立がんセンター中央病院へ入院し､院内の都立墨東養護学校への転校を余儀なくされた｡

2004年のアテネオリンピックに出場した木村を見て､
｢選手として北京五輪に出場する｣
という思いを強くしていた横山｡
しかし､過酷な抗がん剤治療でバレーは諦めなければならなくなった｡

だが横山は､そんな状況でも早稲田大学進学という新たな夢へ歩み出す｡
北京生まれで国語が得意ではなかったが､毎日のように病院の国語の先生に指導を仰ぎ､見事小論文試験で早稲田大学に推薦合格を果たした｡

その後､抗がん剤治療にも耐え晴れて早稲田大学に入学｡
友人もでき楽しい日々を送っていたが､わずか4ヶ月後､がんの再発が確認された｡

医師から､
｢今したいことをしておきなさい｣
といわれた横山は､旅行に行くこと､成人式の写真を撮ること､自伝を出版することの3つを夢として語ったという｡

2回目の抗がん剤治療を終えた横山は悪い体調を押して､イタリア､中国へ旅行に行き､成人式の写真も取ることができた｡
今ドラマの原作となった自伝の原稿も書き上げた｡

横山はある日､見舞いに訪れた木村に次なる夢を､
｢北京で沙織が活躍するのを見る｣
と語ったという｡

しかし､横山はその夢を叶えることなく､2008年4月17日､21年の短い生涯を終えた｡

北京五輪最終予選の直前､
｢友美佳の分まで自分がやらないといけない｣
と語った木村は､悲しみを乗り越え見事日本を五輪出場に導いた｡

五輪出場を決めた直後のインタビューで､
｢どこかで見てくれていると思う｣
と涙ながらに語ったシーンは多くの人の記憶に残っていることだろう｡

がん発症後も様々なことに挑戦した横山の姿に､
｢どんなことがあっても絶対にあきらめない｣
ことを学んだという木村｡

亡き友のへの思いを胸に､木村が世界バレーで躍動する｡

(2010年10月25日)

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