消えた同点弾・・・ イングランド、宿敵ドイツに敗れる〔W杯〕
27日に行われたW杯決勝トーナメント1回戦、ドイツ対イングランド戦は、ドイツが3-1でイングランドに勝利。早々に訪れた宿敵対決は、またしても"疑惑のゴール"が勝負の分かれ目となった。
W杯での対決は90年大会の準決勝以来となる両国。
序盤はドイツがイングランドの守備を攻略し、得点機を量産。
20分にはGKから一気にゴール前に詰め寄ったクローゼが先制点を決めると、さらに32分はエジル、クローゼ、ミュラーの連携からポドルスキが2点目を追加。
瞬く間にリードを広げたドイツだが、イングランドも黙ってはいない。
37分にCKからアプソンが高い位置からヘディングを決めて1点差に詰め寄ると、直後にランパードがループシュート。
これが勝負の分かれ目となった。
クロスバーに当たって下方向にはじかれたボールはゴールラインを割ったように見えたが、しかし主審の下した判定はノーゴール。
激しいブーイングに包まれる会場。
「明らかなゴールだった。4万人がそれを見ていたよ。でも、2人だけがそれを認めなかった。試合に大きな影響が出たね」(Goal.comより)
幻に消えたゴールにランパードは納得のいかない表情を浮かべる。
66年W杯の決勝、イングランド対ドイツ戦で語り草になっている"疑惑のゴール"と同様に、両国の因縁が深まる判定となった。
ゴールが認められなかったイングランドは後半に入りラインを押し上げて攻勢を強めるが、ドイツはこれを冷静に抑えて逆にカウンターからミュラーが2点を追加。
後味の悪さが残るものの、勝負強さを発揮したドイツがベスト8進出を決めた。
試合後、勝利を収めたドイツのレーブ監督は、
「テレビ映像で見る限り、ボールはラインを越えている。ゴールとするべきだっただろう」とゴールを認めるコメントをした上で
「我々はイングランドがゴールを決めるまでも、明らかに試合をコントロールしていた。それから、短いピンチがあったけどね」
と、ゴールの有無に関わらず内容的にドイツが勝っていたことをアピール。
一方、イングランドのカペッロ監督はイギリスBBCの中で、
「あれはこの試合で最も重要な判定だった。あの場面で追いつくことができれば、異なるスタイルで戦えた。(FIFAは)なぜテクノロジーを導入しないのか、理解に苦しむ」とFIFAの制度に疑問を呈するコメントをすると同時に、
「彼ら(ドイツ)は良いプレーをしたよ。ドイツはこの大会を戦っている中でも、最大級のチームだ。その彼らが良い試合をした。カウンターの対処については、こちらにミスがあっただろう。そしてレフェリーがミスをした。これがサッカーだ」
と、宿敵の実力を認めた。
今回は66年とは逆に、無得点となった"疑惑のゴール"が勝負を分けることになったが、それもサッカーだということか。
なお、ベスト8に進んだドイツは、7月3日の準々決勝で、アルゼンチンと対戦する。
(2010年6月28日)
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