複数力士が野球賭博への関与を協会に自己申告

11日、日本相撲協会の陸奥生活指導部長（元大関霧島）は、複数の力士が野球賭博に関わっていたことを自己申告したと発表した。
力士名などは明かさず、協会は今後具体的な処分を検討する。

野球賭博疑惑を巡っては、夏場所中に一部週刊誌で大関琴光喜らの関与が報じられて以降、協会が調査を進めていた。
陸奥生活指導部長の説明によると、報道にあった力士とは別の複数力士が、親方や師匠を通じて自発的に名乗り出てきたという。
力士名のほか、時期や金額については現在調査中とした上で、
「個人名が特定される情報は話せない。力士の将来もある」（日本経済新聞）と明らかにしなかった。

協会側は自発的に申告してきた情状を酌量し、暴力団とのかかわりが認められない限りは処罰しない考え。
所管の文部科学省にはこれから報告するとした。警察には現時点では連絡していないという。

今回の一件に関して、相撲協会は、
「賭け事に対する認識が甘い体質であったことから、彼らがそのような甘い体質のもとで軽い気持ちで手を出したものと認識しています」
と自らの指導力に不足があったことを認めるコメントを発表した。
協会では5月27日の理事会で、寄付行為施行細則に暴力団など反社会的勢力との関係を禁じる条項を追加。厳しい態度で臨むことを決めている。

不祥事続きの大相撲だが、今回の自己申告は、角界の意識改革が進んでいることの表れでもあると言えそうだ。

(2010年6月13日)

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