天地人
【天地人あらすじ】
お話の主人公は、『直江兼続(なおえかねつぐ)』
この兼続の人生は、少年時代に出会った一人の男によって決められた。
その男とは、当時“越後の虎”や“越後の龍”と呼ばれていた上杉謙信である。
謙信は日頃から、兼続に対して
『天下を取ることなんてちっぽけなことに過ぎない。
天下の取ることよりも、自分の心の中に“義”を持ち続けることが大事だ』
と言い聞かせてきた。
この謙信が言う“義”とは
『正しい行いをする』
という意味。
人間の欲望を追求する“利”の反対語だ。
正しい行いをするということは、自分にとって最も大切なものを守り通すということにつながると謙信は言いたかったのだ。
兼続は謙信のことを師と仰ぎ、生涯をその師の教えに従い生きるのであった。
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上杉謙信がこの世を去ると、上杉景勝が養子となりその家督を継いだ。
するとたちまち、上杉家の家督争いや織田信長との争い、豊臣政権に関が原の戦いなど、数々の戦が世に広まった。
兼続は越後の民を守る為、景勝を支え続けた。
“義”を守る。兼続は師への想いを胸に、「愛」の兜をかぶり死戦を繰り広げるのであった。
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“義”を貫き通す直江兼続の生き方を世間は放って置かなかった。
本能寺の変で織田信長が明智光秀に敗れのこの世を去ったのち、天下取りのたすきを受け取ったのが豊臣秀吉である。
この秀吉は、兼続の“義”を貫く生き方に惚れ込み、自分の家来になるように誘った。
それでも自分の主君は景勝様ただ一人と、ここでも自らの“義”を貫き、何度も何度も秀吉の誘いを断った。
甘い誘いにもここまで信念を曲げずに貫き通すのは見事であると、上杉家家老という地位にありながら、
山城守・山形30万石の領地が与えられた。
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こうなると周りの武将が黙ってはいない。
東北の独眼流・伊達政宗だ。
政宗は兼続をライバル視するようになり、関が原の戦いでは敵味方に別れ死闘を繰り広げる。
それでも兼続の“義”は全く揺らぐことがなかった。
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評判を聞いてか、兼続のもとには戦国のつわもの達が次から次へと集まってきた。
真田幸村、前田慶次郎らもその一人である。
そんな様子を見て、一人恐れを抱いている者がいた。徳川家康である。
早くこの状況をなんとかしないと我が身も危うい。
こうして家康が、兼続の勢いに歯止めをかけるべく動き出したのであった…。
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