任侠ヘルパー
[第11話]
09/17放送

彦一(草なぎ剛)たちは「タイヨウ」が閉鎖に追い込まれたことを鷹山源助(松平健)に報告した。

閉鎖が決まった「タイヨウ」では、園崎(大杉漣)や晴菜(仲里依紗)たちが、入所者の受け入れ先を探すのに大忙しだ。晶(夏川結衣)は認知症専門の施設への入所が決まり、ひとあし先に施設を出ることになる。息子の涼太(加藤清史郎)は、前夫の藤堂慶太郎(陣内孝則)が引き取ることに決まった。晶たちの出発日、晶は、自分と涼太、彦一の3人で「写真と撮ろう」と言葉をかけた。晶の携帯で3人は一緒に写真を撮ると、晶と涼太は「タイヨウ」を後にした。


ある日、閉鎖が決まった「タイヨウ」に鎌田公造(渡辺哲)という男が、大勢のお年よりがやってきた。鎌田は「自分の経営する施設がつぶれたので一晩でもいいから預かってほしい」と園崎(大杉漣)に頼み込んだ。困った園崎だったが、とりあえず朝までという約束で引き受けることに…。ところが、翌朝には鎌田と連絡が取れなくなってしまう。

「タイヨウ」では残された高齢者たちのために炊き出しが始まった。彦一たち任侠ヘルパーも炊き出しを手伝う…が、彦一が、突然、その場を出て行ってしまう。後を追いかけてきた五郎(五十嵐隼士)たちに、彦一は、苦しい胸の内をぶつけた。

この研修が終われば、自分たちはまた高齢者を食い物にして生きていく。それなのに自分たちが何をしているんだ…と。

彦一が施設に戻ると、そこには涼太がいた。藤堂の家にいるはずの涼太に、彦一は帰るように怒鳴るが、涼太は嫌がり、抵抗した。大泣きする涼太を彦一は優しく抱きしめ、なだめるのだった。

翌朝、「タイヨウ」に藤堂たちがやってくる。藤堂は保健所に連絡をしようと電話を手にするが、そこへ六車(夕輝壽太)がやってきて、「介護施設としてではなく集合住宅として申請すればいいのだろう」と機転をきかせ、藤堂を、ひとまず納得させた。

そんななか、辞めて出て行ったヘルパーたちが戻ってくる。

一時は、危機を乗り越えた「タイヨウ」だったが、設備を伴わないなかでの営業で、集団感染が起きてしまう。重症の患者はでなかったものの、このまま営業を続けるのは難しいと誰もが思った。やがて全員の受け入れ先が決まり、いよいよ「タイヨウ」が閉鎖されることになった。

和泉(山本裕典)は任侠ヘルパーたちを集めると、鷹山が彦一を幹部に選んだことを発表する。

「タイヨウ」の閉鎖が決まり、任侠ヘルパーたちも荷物をまとめていると、なぜか別の施設へ行った高齢者たちが次々と戻ってくる。驚く園崎たちだったが、やってくる高齢者を受け入れた。

五郎たちもヘルパーの服に着替えて仕事を始めるが、彦一は施設を後にした。

彦一が向かった先は、晶のところだった。晶は眠っていたが、彦一は自分の力の無さについて、晶にそっと話していた。
やがて晶が目を覚ました。晶は、彦一にいつも自分らしくあればいいのでは…と言葉を返した。

隼會の幹部総会が開かれた。リコがやってくるが中には誰もいない。訳がわからず呆然としていると鷹山がやってきて、「彦一の気まぐれで総会は中止になった」と、鷹山は伝える。

その頃、彦一は「タイヨウ」にいた。「タイヨウ」を守るため、入居者を守るため、和泉や、ニンキョウヘルパーたちとバリケードを作っていたのだ。

やがて、「タイヨウ」の前には警察、マスコミ、利用者の家族らが集まっていた。彼らに向かって、彦一は、ここにいる高齢者は別の施設に行っても、たらい回しにされるだけ。だから、自分たちが面倒みると叫んだ。藤堂が電話で彦一に説得を試みるが、彦一は「これが俺たちの筋の通し方だ」と拒否をする。

そんな中、命令により、警官たちが突入してきた。彦一たちは立ち向かうが、圧倒的な数で警官たちが制圧してしまう。彦一にも手錠がかけられ逮捕されてしまった。

そこへやってきたのは、四方木組の者を連れてやってきたリコだった。リコたちは警官たちに襲い掛かる…。

翌日の新聞には、「タイヨウ」の件が大きく掲載された。
しかしその内容は暴行事件を非難するものではなく、介護に対する行政への批判だった。

「やられたな」新聞を読んでいた藤堂は苦笑いをすると、介護行政の改革を決意するのだった。

それから数ヶ月の月日が流れる。

リコは、隼會本家の幹部となっていた。
黒沢五郎(五十嵐隼士)は、本格的に介護の勉強をするために専門学校に通っている。晴菜ともいい関係になっていた。
六車は、持ち前の才能で介護関係の会社を立ち上げ、社長に就任し、施設に根付いた施設運営を行っていた。「タイヨウ」の入所者もここで生活している。

彦一は、刑務所での刑期を終え、出所していた。「タイヨウ」の施設近くの砂浜に座っていると、そこに黒塗りの車が何台も連ねてやってきた。リコだった。
リコは彦一に組に戻るのかを尋ねる。彦一は「まだ決めていない」と答えた。
するとリコは「頼みがある」と言い、彦一の胸倉をつかんで物陰に隠れると半ば強引にキスをするのだった。

リコと別れた後、彦一は晶が生活する施設にやってきた。
庭の椅子に座る晶。その横には涼太が一緒にいた。
その日、晶は、彦一のことも、涼太のことも覚えていない様子だったが、涼太は慣れたように「今日は忘れているみたい」と明るく笑った。
そんな涼太に彦一は微笑みかける。涼太も強くなったものだ…。
彦一が飲み物を買いに行くと、彦一は晶の横の椅子に座る。
おもむろに煙草を加えライターの蓋を開ける。その音に反応した晶。
「ここは全館禁煙よ」晶の言葉を聞いた彦一は、とても嬉しそうに微笑んだ…。

その頃、「タイヨウ」には園崎がやってきていた。
園崎は施設の玄関に貼ってあった「閉鎖の知らせ」をはがす…。

《終》

09/17 第11話


09/10 第10話


09/03 第9話


08/27 第8話


08/20 第7話


08/13 第6話


08/06 第5話


07/30 第4話


07/23 第3話


07/09 第1話


02/16 第2話

キャスト
翼彦一 / 草なぎ剛(くさなぎつよし)
暴力団組織「隼会」の六本木地区をまとめる貸元「翼興行」組長。
17歳で極道の道に入った。ありとあらゆる悪事に手を染めてきたと噂される。
肩と背中には「桜とウグイス」の刺青が入っている。

四方木りこ / 黒木メイサ(くろきめいさ)
死んだ兄に代わって、「隼会」池袋地区貸元・四方木連合組長になった。
23歳の若さでチンピラたちを束ねている。
男勝りでけんかっ早い性格だが、“研修”と称した介護施設でのヘルパー業務にもいち早く溶け込む柔軟性も持ち合わせている。
彦一の男気に触れて気になる存在になっていく。
七海和樹 / 向井理(むかいおさむ)
六本木地区貸元翼興業の構成員で彦一の舎弟。
彦一が留守の間、組を守っている人物。
彦一を兄貴として慕っている。
和泉零次 / 山本裕典(やまもとゆうすけ)
介護施設タイヨウのヘルパー。
任侠ヘルパー達の教育係に指名された。
介護のプロとして仕事に情熱を燃やしている。
鷹山三樹矢 / 薮宏太(やぶこうた)
「隼会」本家・鷹山組構成員。
鷹山源助の息子。
本人には父親の跡を継ぐ意思がない。
女好きのダメ人間。
美空晴菜 / 仲里依紗(なかりいさ)
「タイヨウ」に勤務する新人ヘルパー。
目指しているのは「利用者のための介護」。
情熱に溢れ、真心を持って仕事をしている。
任侠ヘルパーたちとは、至って普通に接する。
少しずつ彦一に惹かれているようだが…。

任侠ヘルパー特集ページ
ドラマコーナー
ドラマ一覧

サイトのご案内へ
無制限99円 取り放題[TOP]

JASRAC許諾番号
6834131007Y41011
Blau