ギネ 産婦人科の女たち
[第9話]
委員長の娘で同僚の嶋(本仮屋ユイカ)から、紀子(松下由樹)が教授になるためには奈智を辞職させなければならないと聞いた玉木(上地雄輔)は、それを奈智(藤原紀香)に知らせる。玉木の言葉に驚いた様子を見せる奈智だったが、すぐに「病院を辞める」と言い出した。奈智は「行きたいところがある」らしいのだ。12/09放送
玉木は紀子にそれを伝える。奈智は、奈智は産婦人科のない小笠原に行くかもしれないと言っていたことも伝えた。奈智の宣言を聞いた紀子や藤木(近藤芳正)は驚くが、手術のできる医療施設もない場所に奈智が行くことは考えられないと、紀子は思っていた。「(奈智は)カイザー大好きですからね」と玉木も呟く。
一方、藤木も転職を考えるようになっていた。産婦人科のリストラが始まると知ったからだ。
藤木は、青森の病院に講師として誘われているから一緒に転勤しないかと、桧口(板谷由夏)を誘う。しかし、桧口は転勤を考えていなかった。彼女は「環境ホルモンと精子の病的動態」に関する論文が学術奨励賞したのでリストラはありえないと考えているようだった。
それからしばらくしたある日、君島は病院長の推薦により教授会では君島が承認され、教授に昇進した。それは准教授を飛び越えた大昇進だった。
玉木とつきあっていた看護師・木村は、麻酔科の安川先生と交際するようになる。
いよいよ一代(内田有紀)が28週を向かえ、いよいよ帝王切開による出産と癌化した卵巣の摘出手術が行われる日がやってくる。手術は1回。子供を帝王切開で出産した後、卵巣を摘出するという内容だった。もちろん、須佐見(國村隼)が執刀することになる。
赤ちゃんは順調に育っていたが、癌は開いてみないとわからないという。今の状況と、手術の内容を奈智から聞いた一代は、出産と癌克服をする決意を新たにした。
一代のオペ前、赤いじゅうたんが敷かれ結婚式が挙げられる。なんと病院からのプレゼントだった。神父さんの前で誓いを述べる須佐見と一代だった。
いよいよ一代の手術だ。ところが一代に麻酔をかける直前、急患の連絡が入った。33週の妊婦で火災に巻き込まれて逃げるときに転落したという。下腹部から大出血を起こし緊急の手術を要する状態だ。
ところが、病院の手術室は全ていっぱいで、もし可能性があるとしたら、まだ麻酔をかける前の一代の手術しかない。奈智は、一代より先にこの急患の手術を行いたいと須佐見に訴える。「どちらも同じ患者です」と…。奈智の説得に応じた須佐見は、急患の手術を決断する。ところがこの患者は脳にも損傷を受けていることが判明、直ちに脳外科医も呼ばれ手術が行われることになる。
一代は手術室が空くまで待機することとなる。
さらに、病院に入院していた妊婦も容態が急変。この妊婦を担当していた鳥海(いせゆみこ)が、緊急の帝王切開を要請した。
ところが、今まで容態が安定していた一代が大出血を起こしてしまう。急いでオペが開始され、まずは帝王切開で赤ちゃんを取り出し、縫合する。赤ちゃんは男の子だった。次に卵巣摘出の手術が行われる。ところが腸管と卵巣の癒着が激しく摘出は断念。放射線治療に望みを託して縫合する。
その時、一代は大量出血を起こしてしまう。一旦その場を離れた須佐見はすぐに一代のもとに駆けつけマッサージを行い、一代は一命をとりとめる。
検査の結果、一代の癌は「漿液性腺ガン」だとわかる。この癌は放射線治療がよく効く。一代の治療に一途の望みが出てきた…。
一方、玉木は「留学をやめる」と嶋に伝える。「君島のそばで助けたい」というのだ。それを聞いた嶋は、「婚約解消したことにしてほしい」と伝えた。それは玉木を思ってのことだった。
教授になった紀子は、スタッフに前に「総合周産期母子医療センターを返上でも、東京都の慰留と住民の反対運動に賭けている」と話す。そして、「もし返上しても、(必ず)取り返す」ときっぱりと言った。
奈智は…本当に小笠原に行くため港にいた。そこに紀子が現れ、奈智を引き止める。「施設のない小笠原で、もしハイリスクの患者が発生したらどうするのか」と。小笠原に産婦人科を開院するのであれば、輸送手段、人員、設備など総合的に体制作りをしないといけないと、紀子は話す。「柊が一人、渡ったところでどうにもならない」と…。
それから月日が流れ――。
街では、「総合周産期母子医療センターの返上」を反対する署名運動が起こっていた。紀子は教授として、病院で奮闘している。青森の病院に講師として転勤した藤木は、東京の大病院からやってきた先生として大活躍していた。そして奈智は…。
奈智は、相変わらず、「カイザー!」と叫び、病院で奮闘していた。
〈終〉
12/09
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キャスト
柊奈智 / 藤原紀香(ふじわらのりか)大学病院の産婦人科。
5年目の産科医である。
あるトラウマから患者を救うこと以外に興味がまったくない。
無口でほとんど笑わない。
玉木聡 / 上地雄輔(かみじゆうすけ)
大学病院勤務の新人産科医。
優秀だが生意気。
親の病院を継ぐことになっている。
桧垣涼子 / 板谷由夏(いたやゆか)
産科医。
研究が命。
奈智とは同僚である。
瀬川一代 / 内田有紀(うちだゆき)
病院顧問弁護士。
トラブルメーカーの奈智に対して反感を覚えている。
徳本美和子 / 西田尚美(にしだなおみ)
妊婦。
奈智の優しさに気づく。
奈智に信頼を寄せているが・・・。
徳本慎一 / 八嶋智人(やしまのりと)
美和子の夫。
子供は既に二人いる。
惣菜店の店主。
君島紀子 / 松下由樹(まつしたゆき)
産科医長。
既婚者。出産を諦め出世してきた人物。
榎原浩史 / 中村橋之助(なかむらはしのすけ)
婦人科医長。
変人だがクールでメス裁きは天下一品。
嶋えりな / 本仮屋ユイカ(もとかりやゆいか)
新人産科医で玉木と同期。
嶋病院長の一人娘。
泣き虫である。
藤木敦士 / 近藤芳正(こんどうよしまさ)
産科医、医局長。
よく愚痴を言う。出世は遅い方。
子煩悩である。
徳本優美 / 吉田里琴(よしだりこ)
美和子と慎一の娘。
須佐見誠二郎 / 國村隼(くにむらじゅん)
産科医、主任教授。
医局員を見守っている。
一代となにか関係があるとか・・・。
/ 篠田麻里子(しのだまりこ)
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