ガリレオ
[第1話]
とある夜。住宅街の通りにたむろして騒いでいた若者のひとりの頭から、突然、発火し、死亡するという事件が起きた。10/15放送
貝塚北署の新人刑事・内海薫(柴咲コウ)は同僚の弓削志郎(品川祐)とともに現場に向かう。そして、尊敬する優秀な先輩刑事・草薙俊平(北村一輝)とともに、この不可解な事件を解決するために動き出した。
そんなとき、薫は草薙から「実はおれが事件を解決していたのは、あいつのおかげなんだ」と教えられる。
そして、向かったのは帝都大学理工学部物理学科の准教授・湯川学(福山雅治)という人物の元だった。彼は草薙の大学の同級生で、物理学に関する天才――人々は彼のことを「変人ガリレオ」と呼んでいたのだという。
薫から説明を受け、人体が突然発火するという現象に強い興味を抱いた湯川は、研究が遅れるという助手・栗林宏美(渡辺いっけい)の忠告にも耳を貸さず、薫とともに事件現場を訪れる。
薫は現場近くの聞き込みを続けていた。若者たちの評判はあまりよくなかった。
そんなある日、湯川と薫は、事件現場で空を見上げている幼い少女に出会う。その少女は、事件があった日もやじ馬の中にいて、薫が声をかけたとき、「七夕のころ、空に浮かぶ赤い糸を見つけた」と言っていた。それを聞いて、何かがひらめいた湯川は「話を詳しく聞きたい」と言い出す。そして、いきなり計算をしはじめ――。
そして、湯川は現場近くで機械部品などを作っているという時田製作所に注目した。社長の時田(小林すすむ)は、薫が刑事だと知って、困惑していた。そこで、勝手に工場内を見て回っていた湯川は、金属部品のひとつを手に取り、従業員の金森(唐沢寿明)から注意される。
時田から事件のことを尋ねられた湯川は、自然発生したプラズマによる事故ではないか、と答え、もしもう一度、同じ場所で起これば捜査も打ち切りになる、などと話をする。工場を出てから薫が説明を求めると、湯川は、まだ「仮説の段階なのだから教えられない」と答え、「実に面白い」と言って笑みを浮かべた。薫は、そんな湯川の態度にキレ、「あなたを面白がらせるための事件じゃない!」と彼を怒鳴りつける。
湯川は「あんなに怒鳴られたのは初めてだ」と栗林にこぼす。今まで女性から怒鳴られたことなどなかったからだ。
一方、薫も解剖医の城ノ内桜子(真矢みき)のところにいい、彼を「人の気持ちがわからないただのオタクだ」と文句をいう。そんな薫に、桜子は「口で勝てないなら、女の武器を使え」とアドバイスをする。
そんなとき、湯川から呼び出しがあり、薫は湯川の研究室に行った。と、湯川は案外素直に「申し訳なかった」と謝った。が、どうして人が燃えたかということは教えてもらえなかった。
すると、薫は自分の身の上を話しだす――幼い頃、家族が人違いのために、銃で撃たれてしまった。自分はその時、刑事になろうと決意した――と涙ながらに語った。だから、どうしても犯人を捕まえたい。仮説などと言わないで教えてくれと泣き崩れる。まさに、女の武器を使ったのだった。
その結果、薫は湯川にある場所に連れていかれる。
そこは帝都大学の実験場だった。そこには事件現場が再現されていたのだ。湯川は時田製作所からものすごく強いレーザーが発せられていることを説明し、それをうまく用いて、間接的にターゲットの発火させたのだと説明した。
その夜、薫が弓削とともに張り込みをしていると、いきなりゴミ集積場が燃え上がった。急いで時田製作所に向かった薫は、そこで金森の姿を見たのだった。金森は、若者たちが毎晩大騒ぎし、録音を邪魔されることに我慢がならなかった。金森は眼の不自由な人たちに向けて朗読ボランティアをしていたのだという。本当はゴミ箱に火をつけて脅かしたかっただけなのだが、人に当たるなど思いもしなかったと話す。
薫がその報告を湯川にしにいくと、湯川はまだ実験を続けていた。
金森の話など事件の概要を聞いた草薙も「なんかひっかかるんだよなあ」と薫をもう一度、湯川の元にいかせる。
薫が湯川のもとにいったとき、実験はようやく成功していた。43回目の実験だった。このような遠まわしな方法でやるなんて気の弱い人間なのねと評する薫に対して、湯川は「違う。犯人も同じだけ失敗したということだ。それに女の子が赤い糸を見たのは七夕。つまり犯人は3カ月以上も前から、殺人を計画していたということだ」と語った。この事件の犯人は恐ろしく執念深く、残酷な人間だ、と。
弓削が事情聴取をしていると、金森は「それで罪を償えるとは思えません……」などと後悔していた。と、そこに薫が入ってきて、「あれは計画殺人ね」と指摘する。最初は否定していた金森だったが、いきなり机をけりだし、ものすごい形相で「あいつらは生ゴミだ」と言い出した。それこそが金森の正体だったのだ。
その後……湯川はとあるテレビ番組に目をとめた。それはアメリカの人気ドラマで、両親が撃たれ、そして刑事になったというストーリーだった。「まったく信じられない人種だ……」と湯川はひとり、つぶやいた。
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キャスト
湯川学 / 福山雅治(ふくやままさはる)帝都大学理工学部物理学科准教授。
容姿端麗で、頭脳も明晰、おまけにスポーツ万能。一見、完璧な男に見えるが、ものすごく変人。変人ガリレオの異名を持つ。
刑事の草薙俊平とは大学の同期で、変わった現象の事件が起こると、時々彼の相談に乗っていた。
しかし、本人は捜査などに興味があるわけではなく、起きた現象そのものを解明し、証明することに意欲を燃やしているだけである。
内海薫 / 柴咲コウ(しばさきこう)
貝塚北署の新人刑事。希望して、交通課から異動してきた。
理論よりも感情を優先するタイプ。
先輩の草薙を尊敬し、あこがれている。彼の紹介で知り合った湯川とは相いれない部分もあるが、捜査の協力はしてもらっている。
草薙俊平 / 北村一輝(きたむらかずき)
貝塚北署の刑事。薫の先輩。
オカルトめいた現象の事件を解決する敏腕刑事で、ミステリーハンターと呼ばれる。
その実績により、本庁への栄転が決まるが、実はそのほとんどは湯川学のおかげである。
弓削志郎 / 品川祐(しながわひろし)
貝塚北署の刑事。
内海薫の先輩で、彼女と一緒に捜査をすることが多い。自信過剰な面と打たれ弱い面を合わせ持っている。
栗林宏美 / 渡辺いっけい(わたなべいっけい)
帝都大学で湯川の助手をしている。
研究中に、湯川のもとに訳のわからぬ事件を持ち込み、邪魔をする警察に対して、疎ましく思っている。
城ノ内桜子 / 真矢みき(まやみき)
自他共に認める、美人監察医。
常に冷静沈着で、どんなにひどい状態の遺体を目にしても、その態度は変わらない。
ミステリーハンター・草薙の数々の功績の真相にも気づいている。
村瀬健介 / 林剛史(はやしつよし)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室、つまり、湯川のゼミで学ぶ学生。
既婚者の姉が一人いる。
小淵沢隆史 / 福井博章(ふくいひろあき)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室に所属しており、湯川のゼミで物理学を学ぶ学生。
森英太 / 伊藤隆大(いとうたかひろ)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室の湯川ゼミで学ぶ学生。
渡辺美雪 / 高山都(たかやまみやこ)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室の湯川ゼミで学ぶ学生。
谷口紗江子 / 葵(あおい)
帝都大学理工学部物理学科第十三研究室の湯川ゼミで学ぶ学生。
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