【あらすじ】彼が居た事を証明し続けるのが、あなたの役割なのかもしれない
(2010/09/21)
社会人2年目の井上芽衣子は、将来に希望を感じられずにいた。社会や大人に対し不平不満がありつつ、しかしどうすればいいのかわからないまま、ついに勢いで会社を辞めてしまう。芽衣子の同棲相手であり恋人の種田成男は、大学時代のバンド仲間である加藤、ビリーと定期的に会い、デザイン事務所のアルバイトの合間を縫ってバンド活動を細々と続けていた。喧嘩し、互いに励まし合いながら、先の見えない生活を続けていく芽衣子と種田。やがて、自身の音楽の才能は平凡と言い張り、逃げの姿勢である種田に対し芽衣子は苛立ちを隠せなくなり「バンドをやってほしい」と自分の思いをぶつける。その芽衣子の一言から種田はアルバイトを辞め、再びバンド活動に熱を入れることを決めた。そして加藤、ビリーらに声をかけ、自身の新曲である『ソラニン』をレコーディングする。そのデモCDを送ったレコード会社のうち1社から反応があり、種田、芽衣子、ビリーの3人は会社を訪れ冴木という人物に会う。話の内容は、これからアーティスト活動で売りに出す新人グラビアアイドルのバックバンドの依頼だった。冴木を前に黙っている種田の気持ちを代弁するかのように、芽衣子はその話を断った。以降デモCDの反応はなく、夏が過ぎ去り秋が訪れようとしていた頃、種田は芽衣子に対し突然別れ話を持ち出す。その場は和解したものの、種田は散歩に行くと言ったきり帰って来なかった。種田から連絡があったのは5日後で、彼は以前辞めたデザイン事務所でもう一度働き始めた事、そしてこれまでの思いを芽衣子に伝える。「これからは2人で幸せになろう」と、互いの思いを再確認した帰り道、種田は交通事故で他界してしまう。それから2か月、芽衣子は心にぽっかりと穴が空いてしまったようであった。そんな中、種田の父親が芽衣子の元を訪れる。自分を責め続けている芽衣子に対し、種田の父は「彼を忘れないでやって欲しい」という事、そして「彼が居た事を証明し続けるのが、あなたの役割なのかもしれない」と言い残す。その言葉を聞き、芽衣子は種田のギターを手に取る。
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